◆ 倉庫番の少女たち ◆

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◆2023年02月17日(金)17:25  (2022年)オーストラリア・F1
F1.jpg 960×640 254Kパーツアッセンブリー単位で見るとイギリスのスターリング、それらの配置レイアウトはオーエンSMGと。
実に「まさにオーストラリア」なF1サブマシンガン。

先代オーエンSMG時代から受け継いだ上部マガジン配置なのですが、これはWW2で日本とジャングル戦を繰り広げて戦果を上げたバトルプルーフされたスタイルでもあるのです。

各種光学サイトを上面に取り付けるのが常識となった昨今の価値観としては、上マガジンでサイティングはそこから右に避けて照準するなんてのはもはやもっての外なのですが、そこを犠牲にしてまでもこのスタイルにしたのは何故か…?
頬付けして構えて撃つよりも、腰だめで携行し会敵即フルオートでぶっ放す即応性重視、ジャングル戦に特化させたレイアウトなのでしょう。
腰だめ携行でマガジンを下に生やせば足や草木に当たって邪魔。横なんてもっと邪魔。上なら割と邪魔じゃない…かなぁ?みたいな。
ネットの聞きかじりではありますが、弾に自重も加わるので、フィーディングにも有利みたいな意見も見かけましたが…これはどーなんでしょうかねぇ。

今回調べていて驚いたのはトリガー。
トリガー少し引くとセミオート、奥まで引くとフルオートの2ステージセレクティブファイヤーだったんですね。グリップ上のレバーはセレクターじゃなくてただのセフティだったんかい!と。
このトリガーも癖が強くて引き金の引き方が雑だとすぐフルオートになってしまうんですが、
(Youtubeに上がってる数少ない動画でも、けっこううっかりフルオートしている)
F1が腰だめ即フルオートを最重視で作られていることを考えると、むしろこれが正解なのかもしれませんね。

しっかり頬づけしてセミで撃ちたい場合は我慢して気をつけて撃ってね♪
な作りは、使用する兵隊さんには面倒でたまったもんじゃなさそうですが。

◆2022年02月12日(土)21:11  (2021年)アルゼンチン・HAFDASA Z-4
HafdasaZ4.jpg 640×1138 274Kアルゼンチンはヒスパノ・アルゼンチーナ(HAFDASA)製、Z-4サブマシンガン。

.45口径、ダブルカラムマガジンを並列に2本並べ、更にそのハウジングを覆うように格納させた木製ストック。
デザイン(設計)そしてスタイルがなんとも豪快、アルゼンチン風に言えば「ガウチョ」なサブマシンガンです。

※ガウチョ:アルゼンチンをはじめとする南米圏で云う「漢」的、マッチョ的、豪傑的な形容表現

欧州の如何にも「マシン」的なサブマシンガンに対して、何処かしらゴージャスで大らかでウッディなスタイル。
アメリカのトンプソンM1928的な流れをなんとなく汲んでるスタイルです。

目玉はなんといっても、.45口径ダブルカラム・シングルフィードマガジンを並列に並べた給弾システム。
ハウジングの上部、チェンバー手前のメカで左右のマガジンの給弾切り替えを行っているようなのですが、具体的にどういうカラクリなのかは、ネット上での文献では分かりませんでした。
このメカの信頼性や耐久性が優れているとしたら、ゴツいとはいえトンプソンのドラムマガジンよりかは同じような装弾数でより嵩張りが少ないというアドバンテージがあるので、禁酒法時代のアメリカにけっこう売りつけられたんじゃなかろうか?なんて想像してしまいます。
実際には当時の販路とか、そもそもサブマシンガンにこんなに多弾数を求められたのはこの時代にしか無くなってしまったので、いずれにせよ今日までは生き残れなかったでしょうけれど。

木製ストックも凄いです。トンプソンよりもコンパクトとはいえ、通常の倍もあるマガジンハウジングを更に覆った複雑な形状。
覆わず前後分割すればいいのに、なんて合理的な意見はきっとガウチョでは無いのでしょうw
作りが一木作り(一本の木から削りだし)なのか、合板で形作っているのかまでは判りませんが、この造形そのものに、何やら「ストックは木じゃなきゃやだ!」的な、執念めいたモノを感じずにはいられないのは自分だけでしょうか?
なんてったって、トリガーガードまで一体の木ですからね!

同じメカを使ってメタルフォールディングストックとした、やや欧州的サブマシンガンをフィーチャーした「HAFDASA C-4」というモデルがあるのですが、私見ですがこれはぶっちゃけ、格好悪い。超ーカッコ悪い!
コンパクトなんだが、並列マガジンも相まって何だかズングリムックリしている!

Z-4はアルゼンチンのローエンフォースメント関係からのリクエストで開発された、との情報もあるようなのですが、自分の想像ではやっぱり、絶対!当時の担当者もカッコ悪い!なんとかして!という感じで、ああいう木ストックになった…んじゃーないのかな?と思うのです。

自分から見れば戦前の、地球の裏側のお国の事情なので知る由も無いですけれどね。
しかし、「ガウチョ」な精神というものから感じ入るに、このZ-4の異様でぶっとい迫力ある複列マガジンハウジング、複雑で何処かロマンチックな趣まである造形の木製ストックを纏ったフォルムからは、そんな物語りも想像出来てしまうんですよね。

◆2021年02月03日(水)19:06  (2020年)ハンガリー・ダヌビア39M
KiralyDanuvia39M.jpg 640×960 245K記述によってはキラリー・ダヌビア39Mと、設計者の名前も冠している場合もありますね。

設計者のパール・デ・キラリーは「真珠でキラリ!」という、なんとも素敵な名前もあるのですが、SIGへ出稼ぎに行ったり、果てはなんでこんな所にハンガリー人が?なドミニカ共和国へ渡り、かの革命家チェ・ゲバラも愛用しいてたとされたサン・クリストバルカービンの設計にも携わったという…波乱万丈な人生を送っていたというのも(設計した銃同様に?)とても興味深いです。


39Mには後継としてメタルフォールディングストックの43Mというのもあって、パッと見メタルストック化されてマガジンの取り付け角度が垂直から前傾姿勢へ変わったぐらいしか違いは無いのですが、WEB上の文献では「部品の互換はほとんど無いぐらい改良が顕著で別物」とされてるようです。
…が、英語圏以外での写真なんかを見てみると、39Mなのにもかかわらず前傾のマガジンだったり
(マガジンは前方へ折り畳めるのでその途中とも見れるが、撃ってる最中っぽい構えなのでそうとも見えない)
43Mにあるバリエ?である、バナナマガジンが何故か39Mに付いてたりするのを見ると、最終的にはほぼパーツの互換が無かったにせよ、その経過の時期ではわりとゴチャ混ぜだったんじゃないか?とも思うんですよね。

ともあれこの銃の特徴としてはやはり、フランス人が見たら泣いて喜びそうな折り畳みのマガジンハウジング(笑)
こういうのは実用性云々という建て前以前に、フランス人でなくともメカ好きならワクワクしてしまうギミックですよね。

あとは43Mになって進化した分割式のボルト・ブリーチのロックシステムなんかがあるのですが、自分では分解図を見ただけではどう凄いのかはちょっと分からなかったです。

そう、キラリーの設計する銃ってちょっと強めのカートリッジ使っているのが多いんですよね。そのためロックシステムの設計にけっこうリソース割いてるのも特徴といえば特徴なのかもしれません。
なので39M、43M、クリストバルカービンとサブマシンガンにもかかわらずやや大柄で、どちらかというと米のM1、M2カービンみたいな感じに近いのも、通な方々の好評を得てるんでしょう。

◆2020年01月05日(日)16:20  (2019年)アメリカ・トンプソン M1928A1初期型
ThompsonM1928A1.jpg 600×1067 238K「ギャングの銃」と揶揄されようとも、やはり戦時省力モデルよりかはバレルフィンにカッツ・コンペンセイター、バーチカルグリップにドラムマガジン、要らなかろうともライマンサイトにブリッシュロックといったフル装備のトンプソンがゴージャスで華がありますね。

絵のM1928は省力化前の初期モデルA1で、ヨーロッパ戦線に投入されたものをイメージしています。
ストック下にあるスリング・スイベルをわざわざ上に付けなおしてあるんですね。LMG的に肩から吊って脇に抱える、即応性の高い携行スタイルに合わせてるのだそうです。実戦から受けたプルーフってやつでしょうか。

最新のGunプロ誌(2020年2月号)では改めてブリッシュロックについて触れられていましたが、ブリッシュロックありと無しで撃ち比べて、無しのほうが回転抑えられてたって…ブリッシュロック、本格的に要らない子だったんだなぁ。
鼻先に誇らしげにあしらわれたカッツさんロゴのコンペンセイターも、持ち前の自重の重さでそれほど効果なしとは。

いよいよもって「過剰包装」だったってことが(WW2時代にとっくに)証明されたわけですが、まあそれもそれで豊かだったアメリカらしいといえばらしい、のかもしれません。
.45口径だし。

◆2019年01月28日(月)18:11  (2018年)チェコスロバキア・ZK383
Zk383.jpg 1024×576 206K分割後のチェコスロバキアって、住んでる方々にはどーいう雰囲気・感覚なんだろう?っていうのが、いくらネット上での旅行者の感想を見てもいまいちピンと来ない。
私的にヨーロッパ旅行するとしたら、是非この国を訪れてみたいものです。テッポー見学的にもw
鉄砲以外の工芸品とかも見てみたいですね。

で、ZK383。
LMG的運用も考えていた(夢見ていた?)設計者の気持ちを汲んで、バイポッドを有効活用した運用法で描いてみますたw
似たような構想を百式でやろうとした国の人の矜持として?!

ネットの写真や動画を見れば見るほど、どこまでも丁寧な造りと仕上げに見入ってしまいます。
設計や構造、スタイルはドイツのメカほど複雑に凝ってるわけではなくむしろ素朴で単純なのですが、なにしろ仕上げやすり合わせなんかの精度が高い!
ボルトなんてガタひとつなく動くのに、通常分解ではスルッとなめらかに抜ける様は、あー撃てなくていいからホンモノ一挺ほしいなーと思ってしまいます。
日本で合法に持てる無稼動実銃じゃ、肝心のそんな部分が無残にも溶接される宿命だしなぁ。

サイドマガジンはこの時代、ステンやらベルグマンなんかがある「塹壕戦意識しましたトレンド」に沿ったデザインだが、ZKは左サイドというよりか、左(上)サイドマガジンっていうのが面白いですね。
しかしいずれにせよ、サイドのマガジンってどーやっても携帯時は邪魔くさくてしょうがないのはみんな同じなんだけど、当時使用してた兵士はどーやって対策していたのか?
ドイツ@ベルグマン、イギリス@ステン、チェコ(&占領したドイツ)@ZK383、
そして日本@百式でアンケートをとってみたい!

あ、近代でトイガンでサバゲーだった自分の場合は…
アサヒのスターリング使ってて、いつの間にかマガジンが抜けててよく無くして、いざ撃つ時になってプシュー(ガスだけ出る)してました!
ファッキンサイドマガジンでした!
(その後JACのUZI出たら即そっちへのりかえたった!)

◆2018年01月10日(水)15:02  (2017年)フランス・MGDエルマPM9
mgd_pm9.jpg 960×720 212K「エルマ(もとドイツ)」を入れると、ちょっとフランス色が薄まるので、背景の書き文字と投稿時はあえて「エルマ」を外しました。
まあだいたいがMGD PM-9と呼ばれてるからいっかな?ってことで。

しかし…異様に長いストックですね。全長の半分以上ある。
唯一無二である回転式ブリーチによるレシーバーの短縮化のおかげなのはいわずもがなですが、それ分かってて長めに描いていても、写真あてがって長さチェックしてみるとまだまだ全然足らない、なんて始末でした。

スレにも書きましたが、ほんと現代の技術で蘇らせてほしい一品ですね。
今風にデザイン&改修してうまくセールスすれば、第2のクリス・ベクターの座も夢ではないと思う!というのは言いすぎでしょうか??

◆2017年01月08日(日)15:13  (2016年)ロシア・PPSH41&PPD40
Ppsh41_ppd40.jpg 720×960 229Kロシアというより、この銃の時代だとソ連と言うべきなのだろうか?
椅子にして座る兵士の画像で一躍世界的に有名になった(?)PPSH41と、そのご先祖様PPD40です。ゴツいドラムに木製の曲銃床は、いかにもロシアって感じですね。
(とはいえ、このスタイルのルーツという意味合いでは、フィンランドのスオミ的、となるのだろうか)

その昔、ハドソンのモデルガンの広告にはPPSH41の通称「バラライカ」と「マンドリン」と称して、
(どちらもPPSH41の通称。バラライカはドイツ人がそう呼び、マンドリンっていうのは日本人が呼んだ、んだっけか)
同一とおぼしきモデルをご丁寧に角度や光の具合を変えた別の写真で何故か別物扱いでラインナップに掲載されてたのですが、アレは一体何だったのだろうか?
うーん…ラインナップ数の水増し?まあマルイも作るモデルガンでやってたしなぁ。
小学生だった自分には、何だか似てるが名前も違うし、きっとガバメントやコマンダー、M1カービンやM2カービンみたいに違いがあるのかも?と思ってましたw

個人的には、ちゃんとセミ・フルオートのセレクティブファイアーが付いてるところになんとなく造りの丁寧さが感じられて好感が持てます。
サブマシンガン(以下SMG)が大量生産品で拳銃弾をとにかくバラ撒く機械という当時の基本コンセプトからしたらオーバークォリティなのですが、それ以前の「銃」というものの基本コンセプトとしては、単発でしっかり撃てるというのもそれなりに重要で、当時の他国安価SMGのようにフルオートオンリーまで割り切るのは如何なものか?と思うわけなのです。
時代と戦後近辺の工業力というものも考慮すると、その割り切りもやむなしなのかもしれませんが。

近年のSMGではさすがに、セミ・フルオートに加え3点射(3発1セットで連射する)などのセレクティブファイアが当たり前になり、無駄弾やコラテラル・ダメージ(副次的な被害。当てたくないものにまで当てて破壊してしまう)をコントロール出来る機能や運用方法になったのですが、
(日本の警察がMP5を採用して久しいですが、セミオート主体で「でっかくて多く撃てる拳銃」的な見方で運用してるのが面白い)
自分がSMGという機械に対して感じる魅力のひとつにはそういった、機能も使い方も時代とともに思いもよらない方向へ発展していく不規則な発展性に魅せられている、というところにもあったりしますね。

◆2015年12月31日(木)17:00  (2015年)スイス・フラーM1919
FurrerM1919.jpg 720×960 209Kトグルジョイント大好き国?スイスのフラーM1919サブマシンガン。
ストックから左にオフセットして横向きに配置したバレル&レシーバーなんかを見てると、実にやっつけで急造っぽいレイアウトなのに、機関部なんかをつぶさに観察してみるとそのレイアウトに合わせて実に手間をかけて造り込まれている…。
お国柄と言えばそれまでなのかもしれないですが。
時代背景からして塹壕戦でのバラ撒きに特化した銃なのは分かるが(フルオートオンリーだし)、ならなぜトグルジョイントでなければならなかったのか?好きだから??うーん、なら仕方が無い(オイ)
後期のやつなんかは、フォアエンドに折り畳み式のバーチカル・グリップが付いてたりしますが、まぁそういうの付けないとまともに扱えなかったんだろうなぁと思います。それにしたって、畳まるとはいえ銃の下から出っ張り、右からは50連の長が〜いマガジンが出っ張り、左からはトグルジョイントが出っ張りと…アッチコッチ出っ張ってさぞかし嵩張りそうですw

そんなわけで、持ってる女の子もアチコッチよ〜く出っ張ったプロポーションで、嵩張るポーズ(なんだソレ?)なんかにしてみました。関係ないけどこのポーズ、かなり無理がありますね。
(描いてる時自分でライフル抱えて同じポーズ取ってみたけど<気持ち悪いよ!かなーりキツかった…)

ほんと見れば見るほど疑問が湧き、考えれば考えるほどわけがわからなくなる。実に不思議なサブマシンガンであります。


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